AL(アクティブラーニング)
アクティブラーニング:学生を中心とした能動的な学習スタイル
近年、コンピュータネットワークの発達により、社会システムは大きく変化しつつあります。例えば、コンピュータネットワークを使えば、知識のデータベースに誰もが容易にアクセスできますし、世界中のひととリアルタイムで通信することができます。そのため現代の大学教育には、知識伝授だけではなく、知識の活用力?応用力?問題解決能力?コミュニケーション能力の養成が求められています。
これまでの大学教育は、教授(Teaching)が主体で、内容中心のカリキュラム、つまり、「教員が○○を教える」スタイルが主流でした。具体的には、一方通行の講義や研修が該当します。しかし、一方通行の授業では、学習者の活用力や応用力を養成することができません。したがって、これからは大学教育そのものを、学修(Learning)が主体で、学習者中心のカリキュラム、つまり、「学生が○○できる」スタイルに変革していかなくてはなりません。
学習者中心のカリキュラムでは、学生は一方向的な知識伝授型講義を聴くだけではなく、実習?演習?グループディスカッションなど、書く?話す?発表するなどの活動に参加します。このような能動的な学修(Active Learning)を通じて、学生は知識を吸収するだけではなく、知識を活用して問題を解決する能力を得ることができます。
実施体制
2015年度より本学においても、全学研究プロジェクト「アクティブラーニングの実践への取り組み」がスタートしています。本プロジェクトは、本学の組織横断的なメンバー10余名(生産科学科、環境科学科、食品科学科、教養教育センター、生物資源工学研究所、腸内細菌共生機構学講座)によって構成されており、アクティブラーニングを取り入れた授業設計および実際に授業を実施したときの問題点?改善点を議論しています。
到達目標
本プロジェクトでは、アクティブラーニング実践を通じて取得した授業方法のノウハウや問題点をメンバー間で共有し、本学の教員がアクティブラーニングを導入する際のアドバイスをおこないます。本プロジェクトの目標は、本学の開講科目をすべてアクティブラーニングにすることです。
もうひとつの目標は、図書館?食堂?ラウンジの周辺にグループワークやディスカッションのためのスペース(ラーニング?コモンズ)を作ることです。ラーニング?コモンズには、ホワイトボード?プロジェクター?ネットワーク接続端末が用意されており、ディスカッションだけでなくワークショップやセミナーも実施することができます。ラーニング?コモンズは学生だけではなく、教員と学生がコミュニケーションをとりながらともに学ぶための空間です。
施設?環境
アクティブラーニングを支援するために、以下の機器と環境が既に整備されています。
(1)無線インターネット
現在、3つの講義室と食堂前ラウンジに無線インターネット(Wi-Fi)が設置されています。スマートフォンやタブレット端末を使ってインターネットに接続することにより、ネット環境を利用したグループワークや演習が可能です。
(2)小型投票端末
受講者からの回答をリアルタイムで集計するシステムで、クリッカーと呼ばれています。クリッカーを使うことで授業に双方向性を持たせることができます。授業中の発問やアンケートに対する回答がグラフで表示されるので、クラスの理解度を教員と学生の双方が確認しながら授業を進めることができます。
(3)オンライン学習管理システム
オンライン学習管理システム(Learning Management System)により、インターネット経由でビデオ教材の視聴、資料配布、宿題の提出、出席管理、成績の通知などが可能です。