研究テーマ:関根 政実
イネの白未熟粒に関する解析
近年、地球温暖化などによる環境悪化により、イネの胚乳部分が白濁する白未熟粒が高頻度で発生するようになった。この白未熟粒の一種である乳白粒は、登熟期の高温や、低日射で多く発生する。乳白粒の発生メカニズムはよく分かっていないが、胚乳アミロース含量がその一因であると指摘されている。アミロースを合成するWxタンパク(デンプン粒結合型デンプン合成酵素)をコードする遺伝子GBSS1は胚乳で発現し、高温や低日射で発現量が低下する。そこでmicroRNAを用いてGBSS1抑制型形質転換体、高温下で発現が上昇する熱ショックタンパク質遺伝子を用いたGBSS1高発現型形質転換体の作製を行った。現在、これらの形質転換体を用いて、GBSS1の乳白粒発生への関与を解析している。