研究テーマ:髙原 浩之
耐病性プロジェクト
~植物の免疫力を活性化する分子メカニズムを明らかにし、病害防除に応用する~
自然界には、数十万種とも数百万種ともいわれる微生物が存在しています。しかしながら、植物に感染することができる微生物はほんのわずかです。つまり、植物は本来、ほとんどの微生物から身を守る力を持っていると考えられています。このような植物が本来持つ生体防御システム「植物自然免疫」の分子メカニズムを研究することで、植物がどのようにして病原体に打ち勝つ力(免疫力)を発揮させるのかを明らかにしようとしています。
植物は、環境の変化(外敵の接近や付着)を敏感に察知し、自身の免疫システムを活性化させるといわれています。そこで、この免疫システムを人為的にコントロールすることで、植物自身が病気になる前に、病害に対す免疫力を発揮できるのではないかと考えています。本プロジェクトでは、植物に寄生する病原菌(カビ)から分泌される物質を植物自身がどのように認識して免疫システムを作動させるのかを、細胞レベル、分子レベルで理解しようとしています。また、植物免疫に関与する新たな遺伝子候補の探索も行っています。このようなミクロな研究を通して、病気にかかりにくい健康な植物の育成をめざしています。